私は正直言って、スピリチュアルなことが好きだ。
占いとかUFOとか、目に見えない素敵な存在とか。
好きと言っても、人に何やらかんやらを言うつもりは毛頭なく、逆にスピリチュアルにどっぷりハマっている人は超苦手。
以前、「私の前世は修道女だったの~♪」という人に出会ったことがあるけれど、「そんなことどうでもいいから今世を生きろ~!」と心の中で叫んだことがある。
そんなスピリチュアルな私はふとある日、人間は「宇宙に動かされている」んじゃないかな~と思ったので、そんなことを書いている人がいないか、たぶんそれを検索してみたんだと思う。
でも、そんなことを書いている人はいなかったので、似たような言葉で検索してみたのかな??
その中で、ある霊能者のブログがあり、それを読むと、まぁまぁいいことが書かれていたので、いくつか記事を読んでみたのがきっかけ。
少しだけ読んで、その後忘れていたのだけれど、ふとまたそのブログをチェックしてみた。
すると、近くで鑑定会を開くとのお知らせが。
お、面白そう!!
・・・しかし金額が明記されていない。
だいたいこういうのは高いんだろうな~。
まぁ面白そうなので会ってみたいと思っただけで、考えても特に鑑定してもらいたいことなんてないし、ま、別に行かなくていいや。
と思った。
すると、その後またブログに、勉強会が2000円であるとお知らせがあった。
おぉ、2000円なら行ってみたい!
しかも勉強会の後に懇談会もあるとのことで、メールで勉強会&懇談会に申し込み。
・・・ついでに、鑑定の金額をそれとなく聞いてみた。
すると、1時間1万円。
たっ、高っ!!!
や、やっぱりこういうのはこのくらい取るんやな~・・・。
金額も高いし、鑑定してもらうことも別にないし、やっぱり勉強会だけでいいや。
と、これで一旦終了。
しかし申し込んだからには、もう少しこの人のことを知っておこう。
ブログをさかのぼってチェックチェック。
すると、今までにも日本の各地の大都市で、そいういった鑑定や勉強会(公演?)をやっていることが分かった。
あれ、そんな凄い人なの???
しかも今回私が申し込んだのは5~10人程度という少人数の勉強会だったのだけれど、東京とかの大都市になると、ホールを借り切ってのたいそうな人数での勉強会(公演?)をやっているみたい。
う~ん・・・そんなに人気の人なんだったら、せっかくの機会だし、鑑定もしてもらっておこうかな~・・・。
好奇心がウズウズしてきた。
1時間1万円は高い。超高い。でも、1万円払ってディズニーランドやUSJで遊ぶようなもんかな。
ということで、鑑定&勉強会代の12000円を封筒に入れて、会場(マンションの一室)へワクワク訪れた。
ピンポ~ン。
チャイムを押す。
・・・出てこない。
部屋間違ってたかな・・・???
もう一度押す。
ピンポ~ン。
・・・・・・・・。
ガチャ。
2回目のチャイムでやっとドアを開けてくれたのは、私が抱いていたイメージとは全く異なる、出川哲朗のような人だった。
同じような年齢の男性ということは分かっていたのだけれど、それ以外の私が勝手に抱いていたイメージは、細身で背が高く、髪は自然でナチュラル系、そして落ち着いた穏やかな雰囲気をかもし出していて、ネクタイはなし、そして品のいい淡い色のスーツに白いシャツの、霊的なオーラが漂う人だと想像していた。
私「あの~、○○さんですか?」
間違えたのではないかと確認をすると、やはりその人だったので、部屋の中へ入れてもらい、「ちょっと遅くなっちゃってすいませ~ん・・! あ、これ鑑定と勉強会のお金です」と言って、12000円の入った封筒を渡した。
さて、ワンルームマンションの一室で小さなテーブルを挟み、正座で向かい合う。
テーブルには巻かれた白い紙(半紙)が広げられている。
と、正座で向かい合っても、私が口を開かなければなんだか始まりそうになかったので、「えーっと・・・ご先祖さまとか、守護霊さまのメッセージが聞いてみたいな~と思ったんですけど」と言ってみる。
そう、もともと霊能者に会ってみたいと思っただけで、鑑定してもらう悩みなどないのだ。
それでも何も言ってくれなかった時のために、来る10分ほど前に、相談っぽいことを何とか捻出し、メモに書き出しておいたのだ。
しかし、どうやらこの質問だけでは何の答えようがないらしく、私が期待した、「守護霊様のメッセージを教えてくれる」という状況になる気配がない。
霊能者は「年いくつですか? 結婚とか仕事のことに興味はないんですか?」と聞いてくるので、仕方なく、他の現実的なことについて聞いてみるのだけれど、どうやらその状況を詳しく説明しなければならないらしく、私がほとんどしゃべっている。
というか、年齢ぐらいは聞かなくても霊能で当ててもらいたいところだが。
一体いつになったら鑑定してもらえるんだ!? と思ったので、「あの~、そういう感じなので、そろそろ鑑定してもらえませんか・・??」と言うと、「分かりました」と言い、鑑定というものにやっと入ってくれた。
テーブルの前の霊能者は集中した様子で目を閉じ、顔の前で指をなんだかクネクネと動かしながら、少し口をぶつぶつ動かしている。
そして、目を開けたかと思うと、横にあった筆ペンで、半紙にさらさらと、神様のお言葉と思われるものを書いていく。
少し書くと、また目をつむり、精神集中のような感じになり、また目を開いて続きを書く、というのが繰り返される。
やっと面白いことが始まったぞとワクワクしながらその様子を見つつ、書かれていく字を読もうと思うのだけれど、あまり上手でないのかその字がとても読みにくい。。。
そうして5~10分ぐらいかな? 半紙に神様のメッセージと思われるものを書いてくれて、書き終わった後、それを読み上げてくれる。
「あなたは機関車のような人で、しかし持続性がなく・・・なんたらかんたら~」
ええっ!? これが神様からのメッセージ!?!?
最後まで読み上げてくれるのを聞き、私はとても驚いた。
これは・・・、全部今私がしゃべったことに対する一般論で、神様からのメッセージというより、この人個人の一般的な意見では・・・。
私は、神様のメッセージであれば、もしくは守護霊さん達からのメッセージであれば、私のことをよく知っているハズで、厳しいことや、生産的な意見や面白いアイデアをもらえるのではないかと期待していた。
そうして私が鑑定してもらっている間にも、霊能者の携帯はたまに鳴り、出はしなかったけれど、やっぱりちょっと切っておいて欲しいな~。。。と思う。
時間は1時間なのだ。この鑑定という面白い遊びに1万円も払ったのだから、もう私が話すよりも、できるだけこの人に仕事をしてもらいたい。
「今何時ですか?」と聞くと、もうほとんど時間がないぢゃないか!!
急いでメモに書き出した分を聞く。
私「この相談事は?」
霊能者「それは神様に聞くまでもなくやめておいた方がいいです」
私が先に少し話した内容をふまえてそう答える霊能者。
・・・人生相談に来たのではないのだから、個人的な意見は別にいらないのだけれど。。。
そういうのは、懇談会の時にでも教えてほしい。。。
私「あの~、一応神様に聞いていただけますか・・?」
しょうがないな~、といった感じで、また目を閉じ、集中した様子で顔の前で指をくねくね動かし、目を開いてまた半紙に筆ペンで書いてくれた。
その答えもまた、私の聞きたかった肝心な所ではなく、一般的な答えに収まっていた。
もう時間が押し迫っていたので、元を取らねば・・・!!
もうとりあえず一般的な質問をしようじゃないか。
私「どんな人と結婚したらいいですか!?」
霊能者「ぬ~んぬ~ん。犬のように従順な人です!!」
私「そんなの面白くないじゃないですか!」
霊能者「あなたのような性格の人にはそういう人でないと無理です!」
私「そんな人一体どうやって見つけるんですか!?」
霊能者「お見合いです!」
私「お見合いって、、この時代に??」
霊能者「結婚サービスとか出会い系とかあります!! そうでないとそういう人は見つかりません!!」
私「じゃあそれは年上ですか年下ですか!?」
霊能者「ぬ~んぬ~ん。年下です」
私「外人か日本人か!?」
そんな質問をされたのは初めてなのか、はぁ? ととまどう霊能者。
それでも一応神様に尋ねる。
霊能者「ぬ~んぬ~ん。日本人の方が確立があります!」
私「金持ちか普通か貧乏か!?」
霊能者「そりゃあ金持ちがいいに越したことはないでしょう」
私「そうでしょうけど、一応聞いて下さい!」
霊能者「ぬ~んぬ~ん。質問の意味が分からないと言ってます」
と、こんな感じ。
私がこうたたみかけて質問したことにも、一応一回一回、目をつむって顔の前で指を動かしてから答えてくれるのだけれど、こんなに簡単に神様の意見(?)が聞けるなら、最初のあの集中にかけた時間は一体なんだったんだろうと思う。
あぁ、そうだ、ついでだから「前世」が何だったか教えてもらおう!
と思った時、ぴんぽ~んとチャイムがなった。
ええっ!? もうそんな時間!?!?
次はそのままマンションの一室での勉強会だったので、15分も前だったけれど、参加者が来てしまったようなのだ。
「あ~残念・・! もう少し聞きたかったんですけど・・・」
こんなことなら最初からさっさと箇条質問すりゃ良かった。
「勉強会の後、時間があまればその時にでも聞きますよ!」
とのことで、1万円も払った鑑定は不完全燃焼のまま終わった。
参加費2000円の勉強会は全部で6人が参加し、内容はなかなか面白かった。
例えば、「欲しいと思ったものは全部手に入る」などのお話。
これは、ニュージーランドにいた時、欲しいものはほぼ全部タダで手に入ったし(車も。)、その後も何かと考えていることが叶ったりはするので、まぁそうだろうな~という感じ。
後は、テレビで見たことのある話とか、私が読んだティーン小説に書いてあった話などが(偶然?)出てきたりして、あ~どっかで聞いたなぁ~と。
大筋は、魂の仕組み(前世などがあるということ)を説明してくれたのだけれど、質問自由だったので、こんな質問をしてみた。
私「あの~、今は人間だけれど、前世は虫だったり動物だったりしますか?」
霊能者「それはないですね」
予想外の答えが返ってきたので少し驚く。
だって人間の祖先はもともとミトコンドリアのようなものだったのだから、人間の魂は人間にしかならないというのもう~ん??
私「魂に記憶が記録されて、何度も生まれ変わるとのことですが、魂は平均的に言って、何度ぐらい生まれ変わっているものなのですか?」
願わくば、「平均で5~6回、多い人で15回ぐらい、そして地獄へ行った人は生まれ変わらない」などという答えを密かに期待。頼むから、人間が生まれてきた年数でもって、人間の平均寿命で割るようなことはしないでくれ・・・。と願いつつ質問。
霊能者「あぁ、それは・・・人間が生まれてきたのは、何億年前でしたっけ? それを寿命で割った数ですよ」
予想外の答えというか・・・、予想通りの答えというか・・・、がそのまま返ってきてしまった。
と、そんな感じで勉強会は進んでいたのだけれど、3時間の予定だったのに、なんとその半分ぐらいで終了してしまった。
質問者が少なくて、内容がさっさと進んでいってしまったかららしい。
私はこれにもビックリ!!
そしてさらに驚いたのが、勉強会の後に懇談会がある予定だったので、皆さんでどこかへ夕食を食べに行くのだろうと思っていたのに、マンションの一室から全く動く気配がない。
「あの~・・・懇談会は?? 私皆さんで食べに行くと思ってたんですけど・・? ひょっとしてこれが懇談会ですか??」
勉強会の内容が終わっても、時間はまだ予定より早かったし、参加者の皆さんはなんとか適当な質問を用意して、だらだらとそのマンションに居座っていたのだ。
「あぁ、そうですね~。最初は皆さんで食べに行こうかと思ったんですけどね、昨日そうしたら別に面白くなかったし(昨日も勉強会があった。)、今日は夕食食べなくていいやって思って。一緒にご飯食べて、面白くないことにわざわざお金使う必要ないですよね?」
って、えええええええ!!!!
そりゃあ確かにこのメンバーでは面白くないかもしれない・・・。
でも、だったら最初から懇談会なんて書かなくて良かったんじゃ!?!!?
「あ、そうですか・・・」
もうつっこみもせずに、だらだらした質問会に座っていたのだけれど、遅くなってきたので、帰ることにした。
「じゃあ、私帰ります」
「え? 帰るんですか!? 何か聞きたいことあったら聞いて下さいね!?」
聞きたいこと聞きたいこと・・・別にないなぁ。
・・・あ、前世のこと教えてもらおう。
「はい! 聞きたいことありました! 私の前世を教えて下さい!」
すると少し顔が曇る霊能者。
「前世ですか? それは今は教えられません」
はぁ?
「前世を知りたい方は、前世でやり遂げられなかったことを今の人生でやろうと思う人です。しかし前世でできなかったことは今の人生でもできないんですけどね、ははは。何で前世を知りたいんですか?」
「あぁ、ただの興味です。別にどうしても知りたいとかじゃないんですけど」
だって12000円も払ったのだから、できるだけ元を取りたいじゃあないか。
教えてもらえれば、ブログにも書けるし、友達にも言えるし。
「今回はあなたのためにならないから教えることはできません。そんなに聞きたいなら、次の時に教えますよ」
「あ、そうですか。じゃあいいです(笑顔)」
あっさりそう答えると、霊能者は「ええっ!」と驚き、少し動揺を見せた。
・・・このパターンどっかで見たなぁ。あぁ、インドか。
勉強会が早く終わっても、だらだらとした質問で半数が居座り、結局は予定時間を少しすぎた所で、私が帰るのと同時に他の皆さんも立ち上がって終了した。
私「いやぁ~、今日はめっちゃ楽しかったです☆ 来て良かったです~!」
霊能者「僕もそう言ってもらえて嬉しいです」
私「しかし、遠方から何度も来ている人がいるなんて凄いですね~。先に帰られたけれど、ちょっと変わった方でしたね?」
霊能者「あぁ、はい。あんまり来すぎない方がいいんですけれど、厳しいことは言えないですしね」
そりゃそうですね・・・一時間1万円ですしね・・・。
霊能者「でもね、あの人の人生、驚くほど不幸まみれですよ」
参加者「し~ん・・・・・」
こ、こんなこと、他の人に言うかっ!?!?
参加者「それでは、遅くまでどうも~」
霊能者「いやー、もう疲れたから早く帰ってくれないかな~と思ってたんですよ、ははは」
うーん、凄いことを簡単に言う人だなぁ~・・・。
こうして人生で最初で最後の霊能者体験は終了した。
12000円の価値があったとは全くもって言えないけれど、まぁ面白い経験だったかな!
「この人、人生経験少ないのかなぁ・・・」と、話の節々で何度か思ったのは否めないし、本物とか偽者とかは別として、これで、大金稼ぐって凄すぎる。
※ちなみに、神様からのお言葉として筆ペンで書いてくれた半紙は、全く魅力を感じなかったのと気持ち悪い感じがしたのとで、一度だけネタとして人に見せた後、何の未練もなく捨てたのでありました。
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