その日、ジョー君は店を閉めた後、仕入れの商品を受け取りに行くため、いつものように一緒に車に乗った。
その商品の受け取り方法は、バンコクから乗客を乗せたミニバンのドライバーが一緒に荷物を運び、国道の道路わきで手渡すという、東南アジアならではの方法(?)。
これだと当日頼んだ商品が、最短で受け取れるというメリットがあるらしいが、そのミニバンが指定の場所を通る時に、その場所にいないといけないというデメリットがある。
しかし、そんな予定があると事前に知らなかったので、私はのんきにブログでも書いていたら、時間がギリギリになってしまったらしく、ジョー君はいつもよりスピードをあげて運転していた。
タイには制限速度がないに等しくて、急いでいるのは分かるけれど、その時時速140kmぐらい出ていた。
しかも、国道のくせに外灯がなくて、道が真っ暗。
助手席に乗っていて、怖い怖いと思っていたけれど、何も言わないでいた。
上りの坂道にさしかかり、下りの向こう側が見えなかった。
なのにスピードは下がらない。
怖い、怖い、と思っていたその時、暗闇から車が目の前に飛び出してきた!
ぶつかる!!!!
一瞬だった。
その瞬間が少しだけスローモーションになったような気もする。
人間は集中しすぎると周りがスローモーションになるらしい。
3年ほど前、3階の屋根から落ちた時もスローモーションになった。
ぶつかる、と思ったけれど、寸ででよけた。
よけた、と思うも束の間、急ハンドルで車体は90度まで回転し、幸い180度回転しなかったものの、体制をたてなおすため再び急ハンドルを切る。
ハンドルはガガガと激しく揺れ、気を抜くとおしまいだ。
なにせ時速140kmで走っていたのだ、車は右へ左へとお尻をふり、反対車線にも大きく飛び出した。
ラッキーだったのは、すぐ後ろに車がいなかったことと、反対車線から車が来ていなかったこと。
特に反対車線から来ていたら、正面衝突していただろう。
時速140kmで走っていて、暗闇の中、横から車が目の前に飛び出してきたにも関わらず、どこにもぶつからず、無事に切り抜けられたなんて奇跡だった。
今まで7~8回ぐらい死にそうな目にあってきたけれど、本当に運が強いのだと思う。
いつ死んでもいいと思いながら日々生きているけれど、死にたいとは思っていない。
また命もらったわ。
何事もなかったかのように商品を受け取り、無事に家に戻ってから、改めて生きていることを確認した。
それにしても、死ぬ瞬間に走馬灯が流れるとか聞くけれど、大往生する人だと流れたりするんじゃないのかな?
人間て、一瞬で死ぬな。って、思った。
ぶつかりそうになった瞬間、「あっ!」って思っただけで、そのままぶつかっていたら即死だっただろう。
人間が、一瞬でパンッ! って蚊を殺すように、一瞬。
次の朝起きた時も、改めて生きていることを確認、本当は死んだけど、実は生きてるフリしてるだけだったりして、なんて考えてみたりして。
ま、こういう時のために(?)、私はいつも旅に出る前には保険金の請求先を書いた紙を机の上に用意してから家を出ている。今回も使われなくて良かった~。
とにかくジョー君の助手席に乗るときには、怖いと感じることがよくあるので、今後スピードを出さないようにお願い。
すると、「140kmとか普通だよ! ビアなんていつも200kmぐらい出してるよ!」なんて言ってくるので、バカヤロー!! と叱りつけた。
さて、そんなことがあった次の日、ビアとパパちゃんが遊びに来て、一緒にムーガタ。

照り焼きチキンも作ってお出迎え♪
笑顔でやってきたビアと彼女のパパちゃんに、「昨日死にそうになったんだよね・・・!」と話を切り出す。
「え! なんで!?」
これこれしかじか・・・
「それはヤバかったね~。無事で良かったね~」
140kmだよ!? スピード出しすぎでしょ!?
「あぁ、そうだね~・・・」
ん、なんか2人の反応が薄いぞ・・・?
・・・そういえばジョー君が昨日言ってたけど、ビア、200kmで走ってるの?
「え? へへ、まぁ・・・」
あかーん! 危ない危ない!! ちょっと、パパちゃん、スピード出しすぎだよね!?
するとパパちゃんの反応も薄い。
「私も200kmで走ってるよ、うふふ」
コイツらアホかー!!!!
タイ、危険すぎるよ。。。
















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