9月27日
目的駅についた私達はそこから空港行きのバスに乗らなければならない。
そう、なんてったって貧乏な2人なので、いくら時間がかかろうとも疲れようとも一番安い方法で目的地に辿りつかねばならないからだ。
駅に着き、とりあえずトイレを安らかに済ませた私はちーと一緒に、空港行きリムジンバスが出ているSホテルを目指す。
「Sホテルあっち」といったような表示が出ていたので私はその方向に進んでいったがしかし、ちーは全然見ていなかったようで、「リムジンバス右」という表示を私は見つけたにも関わらず、ちーはどんどん前に進んで行こうとする。
まぁ前に進んでもいずれ右に曲がれば大丈夫やろ、と思っていたのが間違いだった。
実は私はそのバスに一度乗った事があるのだが、ちーは初めて。
なのにここはアタイの庭さといわんばかりの勢いで進んでいくちー。
本当だったら駅を下りてすぐバス乗り場のはずなのに、私はそんな彼女がなんだかとても頼もしく思えてしまい、何も言わずにおとなしくついていってしまった。
途中でちょっぴり不安になり、本当に知ってるの?
と聞くもうん、あっちあっち!と無邪気に笑いかける彼女の笑顔に私は不安感を心のひきだしにそっとしまいこんだのでした。
しかしいくらなんでも遠すぎる、絶対ちーは勘違いしている!!とオシッコ漏らしそうな程不安になった私は、思いきって「ちょっと戻ろう、こんなに遠くないハズやし」と言ってみた。
するとちーは「なんで!?もうすぐやって!行ったことあるもん!」とやはり自信の揺るぎはない・・そうか行った事あるんじゃしょうがないよね・・。
ちーの自信を裏切るのは忍びなかったが、オシッコ漏らしちゃうと迷惑がかかるのでここは私の意見を受け入れてもらって来た道を途中まで戻った。
最初の表示どおり行っていれば3分ぽっちで着いた所を、私がちゃんと言わなかったばっかりに20分くらいかかってしまった。
しかも暗くて臭い道を通るハメになったので、こんな事ならさっさとカミングアウトしておくんだった、と反省したのでした。
ちなみにちーさんはやはり別のバス乗り場と勘違いしておられました。
乗り場に着くとちょうど空港行きバスがやってきた。
すぐに切符を買って、既に何人か並んでいる後ろに並ぶ。
荷物は乗る前にバスの横に置いていくのだが、荷物を乗せる係りのおじさんがは~い、荷物置いた人はさっさと乗って乗って~と言ってたので、なんだか荷物の周りでウロウロしていた人達を尻目に先にバスに乗った。
とは言っても、結構最後の方だったので2人席は空いておらず、私は一番後ろの真中、ちーはその左斜め前といった風に。
真中なんて、急ブレーキかけられたらポーンて勢い良く飛んでって窓つきやぶって私だけ死ぬんだろうな・・なんて思えるような素晴らしい前あきだったので、事故が起こらないように願った。
席について暫くたった時、バスの入り口の所で「この荷物置きっぱなしの人~?」と叫んでいたので、「そんなマヌケな奴いるのか、ふふ」と、窓から覗くに、そこにあるのはうちらの荷物。
わ~!とちょっと赤面しながら、ちーの方を見ると私関係ありませんといったような感じで既にバスのポケットに入ってる小冊子なんか読んで優雅にくつろぎモード。
私はちーの肩を颯爽と叩き、その事実を伝えるとともにバスの外へ。
するとさっきの係りのおっさんから勝手にバスに乗ってもらっちゃ困るんだよね~!
荷物チェックしてからでないと~。
と怒られる。
だってさっき荷物置いた人から乗っていいって・・・言ってた
とボソリと口走ってかすかな復讐をしてみたり。
こうして荷物もちゃんと乗せて、バスは無事に出発するのでした。
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