朝の6時45分ごろに携帯メッセージが入った。
それで目が覚める。
「2時間遅れることになった。
だから14時に待ち合わせ場所に来て。
確認の返事ちょうだい。」
な、なにぃいいっ!!
ただでさえベルリンからアムステルダム遠いのに、さらに2時間遅れるだなんて・・・!
ベルリンからアムステルダムに行くのに、車の相乗りを利用することにした。
バスだと夜中出発で朝の6時ごろ着の58ユーロ(学生52)。電車ならもっと高い。
マーティンがネットで見つけてくれた相乗りの人は32ユーロでお昼の12時出発だったのだ。
どうしよう・・・暗くなってからアムステルダムに着きたくないし。。。
しかもまだホストも決まってないし。。。
もうこうなったらハンブルグに行くことにしようかな。。。タイで会ったアニーも明後日なら泊めてくれるって言ってるし。。。(ベルリンとアムステルダムの途中にあるドイツの都市。)
とりあえず起きてきたマーティンに相談。
「相乗りの運転手が2時間遅れるって・・」
「2時間? じゃあゆっくりできるね」
「え、いや、でも遅くなるのは嫌なので、できればもう少し早く出発したいんだけど・・・運転手に電話して相談してもらえませんか?」
「いや、それは無理だな。だって昨日僕が電話した時に、荷物が多いって言ったら彼は怒り出したんだ。(実際私の荷物は少ない方なのだけれど。)だから、彼の時刻に従うしかないね。選択肢はないよ」
「そ、そうですか・・・」
とりあえず運転手に返事を返す。
「何時ごろにアムステルダムに着きます?」
「何時に着きたいの? だいたい6~7時間で着くよ」
「暗くなる前に着きたいんですけど、まぁそれなら大丈夫ですかね・・・」
というわけでベルリン2時出発に同意。
予定もせっぱつまっているし、他に選択肢はないのだ。
さて・・・ついでにメールチェックさせてもらおう。
マーティンの家では無線の電波がなく、しかもパソコンはマーティンの寝室にあるので自由にパソコンが使えないのだ。
なので、カウチサーフィンのリクエストが思ったように出せず、一昨日出しておいた7件のリクエストは昨日の時点で全滅。
それをマーティンに言うと、
「最低でも20件は出さないと駄目だな」
とのご意見。
に、にじゅっけん~!?!?
最初の頃は1件ずつ、そして5~6件、せっぱつまっている時は10件ほど出すようになっていたのだけれど、20件は流石に多いんじゃ・・。
まぁでも確かにギリギリだったので、そうすることに。(昨日の夜のこと。)
マーティンも待っているし、とにかく素早くプロフィールを読んで素早くリクエストを出さねば!
そうして20件ほど出し、ついでにグループの掲示板にも投稿。
「日本人の女の子がカウチを探しています、明日の夜から3日ほど」
このリクエストを出したのが昨日の夜中11時ごろで、今夜の泊まる所のリクエストなので、もう駄目ならホステルに行くつもりだった。
そう、予定の決まっていない私はいつもリクエストがギリギリなのである。(それでも今までやってこれたのだ。)
ということで、話は今日の朝に戻り、朝の7時半、メールチェック。
さて、夜中の8時間ほどに、どれだけの人が見てくれて返事くれたかしら・・・。
駄目かも・・・でもどうだろう・・・?
メールチェック。
すると返事が8件ほど来ている。
おおお!
中身をチェック。
リクエストを出したうちの2件はお断りの返事。
リクエストを出したうちの3件が受け入れ可能。
ついでに掲示板の方からも3件の返事!
や、やるじゃんアムステルダム!!
まずはリクエストを出した方からチェック。
初日の夜のみオッケー。
月曜の夜のみオッケー。(今日は土曜)
全夜オッケーだけど、ちょっとリハーサルでロッテルダムへでかけるかも。(by俳優)
うぅむ、、微妙。俳優の人がいい感じなんだけどな~・・・。
次は掲示板から来た方をチェック。
ホストできるよ!
うちに泊まっていいよ。
デンハーグはどう?(アムステルダム近郊の町。)
ふむむ・・・それぞれプロフィールをチェックし、掲示板の方から来た、すごく良さそうな人に決める。
さて、1人決めたからには、他の皆さんにお断りの返事を次々と出す。
「滞在先が決まりました。ありがとうございました」
「滞在先が決まりました。ありがとうございました」
「滞在先が決まりました。ありがとうございました」
「滞在先が決まりました。ありがとうございました」
「滞在先が決まりました。ありがとうございました」
「滞在先が決まりました。ありがとうございました」
「滞在先が決まりました。ありがとうございました」
「滞在先が決まりました。ありがとうございました」
「滞在先が決まりました。ありがとうございました」
「滞在先が決まりました。ありがとうございました」
「滞在先が決まりました。ありがとうございました」
「滞在先が決まりました。ありがとうございました」
「滞在先が決まりました。ありがとうございました」
「滞在先が決まりました。ありがとうございました」
「滞在先が決まりました。ありがとうございました」
ふぃ~、これでひと作業終了~。
あとは車の時間までゆっくりしよ~っと。
・・・
・・・
・・・
チュイ~ン。(←携帯メールの音)
なになに?
お、今夜泊まらせてもらう人からだ。
「カウチサーフィンの方にもメッセージ送ったのですが、今夜ホストできなくなりました。祖母の体調が悪くて。本当にごめんなさい・・・!」
体中の穴からなんか噴き出そうになる。
ヤ、ヤバい。断りを入れた人にもう一度お願いしなくては・・・!
そうだ、あの俳優の人にお願いしよう・・!!
マーティンの家を出るのは1時。もう時間がない。
12時半に再びパソコンを使わせてもらうと、既に断りを入れた人たちからもたくさん返事が来てる~~~!(起きてきてリクエストとキャンセルを同時に読んだ人たち。)
ホストできたよ!
うちに泊まってくれて良かったのに!
もう遅い!?!? こんなに面白いリクエストもらったの初めてだよ!
うちにも泊まれるから!
コーヒー飲みながら話だけでもしよう!
あわわわわ・・・ありがとうございます、でももう時間がないっ!!(>_<)
なんでこの人たちに一昨日リクエスト出せなかったんだろう~~!
とりあえず俳優さんにメッセージを出す。
どうか泊めてくれますように泊めてくれますように!
「さっきキャンセルの返事を出したんですが、ホストが具合悪くなり泊まるところがなくなりました。もしまだ受け入れ可能なら是非泊めていただけるとありがたいのですが・・・!
アムステルダムには夜の9時ごろ到着予定です」
頼む、頼む~・・・!
もう他の人の情報見てる余裕ね~!!!
「いいよ! うちにおいで!」
や、ヤッター!!!
きっと大丈夫だと思ってた!
「でも一つ問題が・・・。今夜僕出かけて戻らないから、鍵を隣のレストランに置いていくよ。自由に家を使って」
そ、それはありがたい!!
ってか、凄い信頼度!
カウチサーフィンは信頼で成り立っているコミュニティなのであります。
ふ~。
これでなんとか段取りオッケー。
マーティンにお礼を言って1時すぎに速行で家を出る。
地下鉄に乗り待ち合わせの場所に5分前に到着。
ギリギリや~。。。
そうして午後2時に現れたのはドイツ人のロバート(35:カメラマン)。
挨拶をして車に乗せてもらうと、他にも相乗りの人がいるかと思っていたのだけれど、車はすごい荷物で、私一人だけの席しかなかった。
まぁアムステルダムまで無事に暗くなる前に行けるならいいや。
そうして乗車したのだけれど、アムステルダムの友達におみやげを買うからと少し寄り道をし、高速に乗ったのが2時半すぎ。
ついでになぜ今日の出発が2時間遅れることになったのかというと、パソコンの調子が悪くなったかららしく、ほとんど寝てないとか。
それで途中の休憩所で30分ほど休憩。
ついでに何かの展示会に寄ろうと道をそれるも見つからず、時間のロス。
そんな感じで時速120~140kmあたりで高速を走る・・・。
こりゃ暗くなる前にアムステルダムに到着するのは無理だな。。。
そうして午後9時すぎにアムステルダムに到着~!! したのはいいものの、道に迷って全然駄目・・・。
手書きの適当な地図しか持っていない彼は、私のガイドブックを持ってタクシーの運転手に聞きにいったりしていたのだけれど、私の本に挟まっていた紙などを落としてくれる。あのね・・・。
なんかもうぐるぐる周って拉致があかないので、中心部の近くで降ろしてもらい、そこから歩いて俳優さんの家へ行くことに。
「車で連れて行くよ・・僕の行く所の近くだから・・・!」
というも、これ以上遅くなったらレストランが閉まってしまって俳優さんの家に入れなくなってしまうのだ・・・!!
自分で行く方が確実・・・!!
その時点で午後10時。。。
地元の人にそこからの道を聞く。
「え? 歩いていくの? その荷物で!?
う~ん、ここからなら歩いて30分ぐらいかかるよ。タクシーに乗った方がいいと思うけど・・」
「ありがとうございます!」
お礼を言っててこてこ歩き出す。
てか、この荷物で歩くのが厳しいのなら走るのだ。
そう、急がないとレストランが閉まるかも・・!!
走る走る、この荷物しょって走る、メロスのように!(しかもビーサン。)
てか、どっちだ!?
あ、あのレストランで食事している人たちに聞いてみよう!
「すいません、この大通りに行きたいんですが・・・」
「えーっと、、、今この辺だから・・・」
「あぁ、僕その通りに行ったことあるなぁ」
「あの通り違うわよ~」
・・・皆さんでワイワイガヤガヤ話している。
「私達地元の人間じゃないから地元の人に聞いたほうがいいわよ」
それを先に言ってくれ~~~~!!!
別の人を見つけ通りの方向を聞くも分からない。
「ならゴッホ美術館はどっちですか!?」
走る走る。
聞く。
「あの橋を越えた先の通りを左よ」
「ありがとうございます!」
走る走る。
ヤッタ、大通りに来た!
暑い暑い、走って汗だく。
しかしレストランが閉まると困るので上着そのまま走る走る。
住所の番号、住所の番号・・!
ここや!
えーっと、レストランの名前は確かアフリカの名前で・・・。
そこにカフェがあった。
しかし、カフェの名前がアフリカ語で書かれてて読めね~~~!!
ほんとにここか!?!?
いや、ここしかない。
レストランの中へ入る。
カラーン。
カウンターへ汗だくの笑顔で歩み寄る。
「ハロー!」
私を見た初老のマスター。
「おぉ、ワシあんたのこと知っておるぞ! うん知ってる! あんたのことは全て承知じゃ!」
「スーです」
「うむ、知っておる!」
カウンターの奥の時計の裏から取り出した鍵を私に渡してくれた。
おぉ、ドラクエのようだ。
「ありがとう!」
そうして隣の俳優の家へ。
アパートの入り口の鍵を開ける。入れた。
階段を登る。
たしかドアの前にはリンゴのシール。
リンゴのシール、リンゴのシール・・・あった!
確か鍵を反対に回し、、、っと。
あ、開かね~~~!(>_<)
何度かトライ。くる、くる、ガチャ、おす、もどす、ガチャ。。。。
あぁ、ここまで来たのにぃいい!!
と、何度か戻したりしながら、ドアのぶをひねったら開いた~~~!!!!
入れた~~~!!!(涙)
あぁ、ドラクエや。
そうして部屋の中に入ると、誰もいないのに間接照明が照らされており、私のために用意してくれた寝床には綺麗なスリッパとバスタオルと新品の石鹸、そしてメッセージが。
やぁ、スー。僕の家にようこそ。
僕の家を自由に使ってください。
この場所はどこへ行くにも便利な場所です。
では明日会いましょう!
ここはホテルか~~~!?
さ、さすが俳優、カッチョイイぜ。。。
汗だくの服を脱ぎ、シャワーを使わせてもらって就寝。
あ~今日も楽しかった☆