エンジェル

しばらく前のこと、空港で夜をあかし、そのまま柔らかめの椅子に寝ぼけ眼で座っていたら、いつの間にか隣に座っていた外人のおじさんが反対隣の若者に話しかけていた。

話がひと段落したようなので、「ちょっとトイレに行くので荷物を見ていてもらえませんか?」と頼んだ。

用を済ませて椅子に戻る。

「いや~、昨夜はここで寝たんですよ~」
「僕も空港で夜を明かしたよ」
「え? いつ来たんですか? 私より後ですよね?」
「昨日の朝さ。それからずっと空港にいるよ」
「ええっ!? あなたの飛行機は何時なんですか?」

「実はないんだ」
「え??? じゃあ何で空港に???」

「エンジェルを待っているのさ」
???

「僕の母が倒れてね、、、緊急で帰ってこいって連絡があったんだけど、お金がないんだ」
「えええ!! そんなバカな!! じゃあ早く帰らないと!!」
「・・・航空券が買えなくて、、、それでも緊急だから航空会社が値引きしてくれたんだけど、それでも高くて・・。
だから僕はここでエンジェルを待っているのさ。
きっと現れる、僕はそう信じているんだ」

「・・・私はエンジェルじゃありませんよ。私もお金ギリギリなんで」

「はっはっは」

そう笑ってアメリカ人のおじさんDKは、ギターを取り出し、のん気に歌いだした。

「ちょ、ちょっと、歌ってる場合じゃないでしょ! お金何とかした方が・・」

私の飛行機の時間までの間、笑顔で馬鹿げた冗談やつっこみなどをしていると、アメリカ人のDKはそんな私を気に入ったようで、色んな話をして打ち解けた。

「じゃ、そろそろチェックインなんで、行きますね。グッドラック!!」
「そうか、ありがとう、エンジェル・・!」

カウンターでチェックインを済ませ、DKの様子を見ようと椅子の方へ目をやると、もうDKの姿はそこになかった。

あのおじさん大丈夫かな・・・、無事にアメリカに帰れるかな。。。
奇跡なんてそう簡単に起こらないとは思うけど。。。
・・・600ドルか、、、出してあげれば良かったかな。。。
お金がなくて飛行機に乗れなくて、お母さんの死に目に会えなかったら・・・。
いや、初めて会った人にそこまでする義理はないやろ。。。
でも、、、奇跡を信じるなんて、アメリカ人てやっぱ凄いな・・・。

そうして、DKのことはもうすっかり忘れていたある日、メールが届いた。

誰やこれ・・・? 間違いメールじゃない?
こんな人知らんし。

そう思ってゴミ箱に捨てようとした。

誰かと勘違いしてメールアドレスを間違えたのだと思い、全く意味が分からなかった。
しかし気になって3度読み直した。

「!! これ、DKじゃん!!!」

エンジェル

やぁ、君に伝えたいことがあって。
僕達が別れた10時間後、僕に天使が舞い降りて、シカゴまでの航空券代を出してくれたんだ。
はは、実際の話、朝の3時にプエルトリコから友達の旦那さんがアメリカまでのお金を出してくれるって連絡が入って、僕は驚きと嬉しさのあまり、息をすることができなかった。

神様は僕の祈りに答えてくれたんだ。
僕は母と家族と一緒に最後の時間を過ごすことができ、、、あぁ、本当にありがとう・・!!

君に出会えて本当に良かった、、、君の面白い話は僕を安心させてくれた。
あの時一緒にいてくれてありがとう、エンジェル。

DK


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