「30万円貯まるバンク」それは日本人なら誰しもが(多分)知っており 誰しもが(多分)ここに小銭を貯めてみようと思った事がある貯金箱 ではないだろうか。
しかし、30万まで到達した者はあまりいないかもしれない。 本当に30万なんて貯まるのかしら?そう疑っている人も少なくはないだろう。
「30万円貯まるバンク」ってなんか語呂が悪いので本文中では「30万貯まるバンク」 と言っています。
30万円貯まるバンクを手に入れた
私はその昔、おばあちゃんの旅行のおみやげとしてこの貯金箱を手に入れた。
今では100円均一でも売ってるくらい有名な貯金箱ですが、その当時(10年程前)は結構珍しかったんです。
そしてしばらく使いもせず本棚の奥で眠らせておいたのだが、ふと思い立ったのが 高校1年時。その時はこのお金が貯まったらアメリカに留学でも行きたいなぁ~、といつ貯まるか分からないお金に夢をたくしながらコツコツ、コツコツコツ・・・ 一枚一枚に夢をふくらませながら500円ずつ貯めていったのです。
この貯金箱の裏には「全て500円玉で貯めた場合には約30万円、全て100円玉で貯めた場合には約8万円貯める事ができる」と書かれている。
まぁその人の自由ではあるが、大多数の人は500円玉で貯めるだろう。もし100円玉なんかで貯めてしまった場合はただいたずらに貯金箱が重くなるだけで、たくさん貯めたつもりでもたったの8万という悲しい結果を招くのだ。
どうでもいいけど最後の・は何だろう。印刷ミスか?
スーめもを読んでくれている皆さんはお分かりでしょうが、現在私は無職同然な生活を送っている訳で、たまに弟から心配されたりしています。
ある日電話で、「お金あるんけゃ~?(福井弁)」と聞かれたので
「フフフ、私には30万あるんだよ。30万貯まるバンクがやっと貯まったもんね~。凄いやろ~!いいやろ~!」と答えた。
たった30万ごときでこんな言葉が24歳にもなる女の口から高校生の弟に発せられようとは…ちょっと悲しくもなるが、30万とは私にとって夢のような大金な訳ですよ、ええ。
すかさず聞き返す弟「それってどのくらいで貯まったんやぁ?」
「え~と、高校1年の時から貯めてるでぇ~、8年くらいかなっ?」と嬉しそうに無邪気
に答える私。
「8年もかかって30万かよ」
と弟のするどいツッコミを聞き、いかに自分が悲しい人間であるかに気づいてしまい、かすかなショックを受けました。
と、それが1年程前のお話。
またまたスーめもを読んでくれている皆さんはお分かりでしょうが、私は去年の6月から失業保険もなく、なけなしの収入でその日暮らしの生活を送っている訳で、仕事をやめた時点で60万あった貯金がもう残り8万くらいになっちゃったりして、このままでは本当に死ぬという事に相成りました。
とうとう30万貯まるバンクを開ける時が来たのです。もう夢もへったくれもありません。去年、家賃の更新料とその月の家賃合わせて20数万払わなければならなかった時もこの30万貯まるバンクだけはなんとか守りきったのですが、もう駄目です。限界です。
という訳で30万貯まるバンクレポの始まり始まり~!(前置きなげぇんだよ・・)
30万円貯まるバンクの中身を数える
まず、絶対30万貯まってないと嫌なので最後の最後のギリギリまで500円玉を入れました。もう入らないかな?と思っても貯金箱を左右上下に振って隙間を作ります。そして無理やりにでも500円玉をねじ込ませます。
写真からは500円玉が上まで貯まっている様子が伺えるでしょう。
ちょっと分かりにくいかもしれませんが、これ上から見た図ね。
さて、次は缶きりで貯金箱を切り開きます。これってシーチキンとかフルーツの缶詰のフタみたいに簡単に指で開けられる奴やったらいいのに。あれの名前ってなんて言うんでしょうね?プルカップとかかな?(なんとなく・・・)
缶きりで開けたので、切り口が非常~に危険です。私はこれで指を切って血を出してしまいました。むちゃくちゃ痛いですハイ。
皆さんも30万貯まるバンクを開けるような時が来たらこの事を思い出してみるがいいでしょう。
上から見た図ですが、開けるとちょっと感動しますねウフフ。
視点を変えて横から見た図です。
つーか、あんだけ隙間が無いように上下左右に振ってギリギリまでねじ込んだつもりやったのに、端っこにはまだまだ入るよんて感じの隙間があってかなりくやしい思いです。
ちっくしょ~、この隙間のせいで30万なかったらどうしてくれるんじゃい!
と、過去の自分を責めてみます。ちょっとだけね。
いよいよです。
お金を手にとって一万円になるように20枚ずつとって机に並べていきます。
この時が一番幸せというか、夢心地というか、やはりこの世は金だ!と思う瞬間ですね。
ひとまずはこれで10万円です。
どうでもいいけど、この「ま」っていう字、なんか腹たつな~。
10万円くらいはあってもらわなきゃ困るよね、100円玉で貯めたんじゃないんだから・・・とちょっとドキドキしながら20万円台を黙々と並べます。
ありました20万。
良かった。本当に良かった。
しかし、最初は新500円玉ばかりだったのにだんだんと旧500円玉ばかりになっていって、なんだか歴史を感じます。
下の方の500円玉はなんだか冷たいです。
最終レース30万。本当に30万あるんだろうか、いやあるに決まってるきっとあるよ。
だってパンパンになるまでねじ込んだもん。絶対あるもん。もし28万とかだったらどうしよう…、もう死ぬしかない。夢を返せ。
と死ぬ気で数えて30万ありました。しかしここで注意しなければならないのがちゃんと全部20枚単位で並べてあるかどうかです。一つでも19枚の段とかがあればそれはもうお金の数え間違いでしかないのです。高さを手と目で何度も確かめながら整頓します。2~3個高さの違う段がありました。お、恐ろしか事ですばい!!
30万を並べ終えました。
が、中にまだ何枚か残っています。
ククク、これだよ。この時を待っていたんだよ。
さぁてカワイコちゃん達~用意はできてるかい~?グヘヘ~
とヨダレ流して狼気分です。
下の方のお金にカビが生えてたらどうしよう、なんて思ってましたが全然大丈夫でした。さすがニッケル!
30万以上分を数えておりますと、なぜか一枚だけ5円玉が紛れ込んでおりました。
何故!?500円玉しか入れていないハズなのにっ!?まさか何らかの化学反応で500円玉が5円玉にぃっ!?
と慌てふためきましたが、遠い記憶の中で5円玉が滑って入ってしまった事があるという事に気づきました。
ご縁がありますように。
と、いう事でぇえええ!最終結果は、なんと
34万1千5円でしたぁああ!
自分としては50万くらい入ってて欲しかったんですが、やっぱ無理みたいですね。
(30万あるかどうかビビってたクセに…)
そしてこのお金をまた貯金箱に戻して銀行に持っていきます。
普通に何も考えずにジャラジャラと戻したんですけど、今まで入ってたハズやのに貯金箱は山盛りになってしまいました。見せたかったんですが、この写真撮るの忘れましたデヘ!
山盛りの貯金箱を手さげ袋にいれて上にハンカチをかけて最寄の銀行に持って行くんですが、かなり重いです。
転んだら500円ぶちまけて、周りの餓鬼どもに拾われてしまっては死ぬに死にきれませんので慎重に、半径1メートル以内に人を寄せ付けないようにして運びます。
かなり挙動怪しいです。
銀行に到着しまして、用紙に金額を書きます。不安になります。
銀行では機械で数えてくれるんですけども、もし機械で少ない金額がはじきだされたらどうしよう。むしろあんだけの500円玉があるんやから偽造硬貨が一枚くらい混じっててもおかしくないだろ?そしたら貯金どころじゃなく、警察に通報されてワシ捕まってしまうんやろか?
と、もう被害妄想どっぷりです。鬱です。ヤバいですこの人。
「鈴木さ~ん」と私の名前が呼ばれます。
あうっ、捕まえないで下さいお願いします。ウチ働いてないけど、このお金は決して怪しいお金じゃありましぇん!高校ん時からコツコツ貯めた最後の砦やけぇ捕まえんといてつかーさい頼みますきにぃ~!
と心の中で唱えます。
窓口へ出向きます。
「ちゃんと金額どおりありましたよニコ」と微笑むおねーさん。
勝ちました。私は勝ちましたよ!
30万貯まるバンク、ここに制覇したり!
そして私は再び500円玉を貯めるのです。
今度は100円均一で購入した30万貯まるバンクに。次なる10年後の為に。
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